前回はスラップで音圧があり太く良い音を出す為にはどうすれば良いか、というのを主に書きましたが、今回は逆に良い音が出ない弾き方というのはどういったものなのか、というのを紹介したいと思います。
ただ、完全に間違った方法では決して無いのでそこら編を念頭に読んでみてください。
まず、前回は弦をヒットするスピードの早さ、瞬発力のあるヒットが大切と書きましたが、ではその逆を考えてみましょう。
単純に、ヒットするスピードが遅い事や親指が弦に当たって弦振動をストップしてしまうとどういう事が起きるのかという事ですが、出音自体はかなりノペ〜っとして、太さはあるものの、キレの無いダルンダルンな音になってしまいます。
なので、タイトなリズム(特に16分)のバッキングや、縦のリズムぴったりに弾かなければいけないJ-POP、大きなホール等で演奏する際はあまり向かない奏法なのかなぁと思います。
ただ、こういう奏法が100%悪いとは言えません。
なぜならラリーグラハムが正にこの奏法だからです。
グラハムといえばドファンクで、よりねちっこい音を出して泥臭さを演出するのがキモだと思います。
グラハムはヒットした親指が完全に次の弦でストップしており、オクターブ奏法等もよくやってますが、親指と弦が離れてる事はまぁ無いです。
当然細かい16分等を弾く時は音符の早さに追従する為離れる事はありますが、それはあくまでもフレーズを弾く為に自然とそうなってるだけであって、グラハムから出そうとしてる音というのは上に書いた奏法が音楽的に理にかなった奏法なのでは無いかと思います。
また、この奏法のコツとしては単純に親指で弦を叩くというイメージよりも、親指の腹で弦を強く下に押し込む、というイメージで弾いた方がより太くねちっこい音が出ます。
なもんで、泥臭いファンクやP-FUNK等を演奏する際は、歯切れが良いスクエアな音よりも、ねちっこいルーズな音の方が合うのでこういった奏法で弾いた方が絶対に良いですし、曲に応じてこういった奏法に瞬時にシフト出来るっていうのがベストですね。
次回はピックアップフェンス考察最終回。
装着する事によって起こるメリット・デメリットについて書きたいと思います。
参考アルバム
ラリー・グラハム グラハム・セントラル・ステーション
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